NZQAによる学校の管理

ニュージーランド政府が留学生を守る枠組みを作った経緯

それでは過去のトラブル実例からさぐる、安全な留学手続きからの続き、ニュージーランド政府の取り組みについて解説します。

このページでは「NZQA(ニュージーランド資格庁)による英語学校の管理」、「NZQAによる返金規定の下限の設定」、「信託会社 / 会計士による資金管理」をご紹介した上で、これらが学生の留学資金にどう影響するのかを確認します。

そしてその後、そこまでにご紹介した内容をもとに「留学資金を確実に守る方法」を提示 ⇒ 「NZQAの信頼度をベースにした確実な送金先銀行口座の特定」 ⇒ 「最後にある落とし穴を回避する方法」をご紹介 ⇒ 「学校の倒産や留学エージェントの持ち逃げにも対処できる、安全で確実な留学手続きに関する結論」を提示します。

・・・と、話が長くなってしまい申し訳ありません。
しかしすべては今まで頑張って貯めてきた留学資金を守るためです。あと5分だけ、お付き合いください。

それでは以下、ニュージーランド資格庁のNZQAによる学校管理をチェックしていきます。

「信頼できる学校のリスト」を管理、公開しているNZQA

NZQAは New Zealand Qualifications Authority の略称で、日本語では「ニュージーランド資格庁」などと訳されることが多い政府機関です。

具体的な業務としては小学校・中学校・高校・大学の学位や資格やカリキュラムの管理、英語学校などの教育機関の認定、また外国人が持っているニュージーランド国外の資格や学歴を認定するなど、資格に関する全般を扱っています。

そして「NZQAが学校を認定するとどうなるか」といいますと、大きく以下の4つになります。

  • 認定した学校の詳細が、NZQAの公式サイトで公開されます
  • 認定校に留学する際に、学生ビザが発給されます
  • 認定校には教育省関連法の遵守義務が発生します
  • 認定校にはNZQAによる定期的な学校監査の受け入れ義務が発生します

つまりNZQA認定校というだけで一定の水準を超えていて、かつ、その質が維持される状況です。ですから留学先はまず、NZQA認定校から選ぶことになります。

NZQAは学校に対して、絶対的な影響力を持っています

NZQAは学校に対して定期査察をするだけではなく、抜き打ち調査や移民局との合同調査、また税務調査や経営状況の把握まで行います。

またNZQAの影響力は学校に対して絶対的で、学校はほぼほぼ一方的にNZQAの判断や決定に従わざるを得ません。

そんなわけで過去には学校法人取り消し処分や廃校措置が取られたこともありましたし、不正を行っていた学校マネージャーが逮捕されるケースもありました。

具体的には「潰れそうな学校が潰れる前に学生ビザを乱発して、在留資格をお金で売っていたケース」、「学士号や準学士号を売ったケース」などがありました。
当然、それらの学校は閉校しましたし、不正に関与した留学生はビザを取り消されて本国に強制送還されました。
以上よりある意味でNZQAは、学校に対する警察や裁判所のような存在です。学校関係者からすれば、「税務署より怖いお役所」というわけですね。

しかしNZQA認定校というだけでは、安全できません

上記の通りNZQA認定校は非認定校に比べて学校の質が格段に高く、信用面においてはニュージーランド政府のお墨付きです。

それじゃ、認定校であれば安心ってこと?

これは半分正解です。
これからご紹介する内容を把握して正確に学校手続きをするのであれば、留学資金は正しく守られます。

しかしもしも間違った手順や、間違った手順を使っている留学エージェントを通して学校手配をしてしまった場合、留学資金が戻らない可能性があります。実際にNZQA認定校への留学をキャンセルした際に、返金を受け取れなかった学生は少なくありません。

結論として、「NZQA登録校に申し込む」=「安心&補償あり」ということではありません

ですから私たちは「学校や留学エージェントが潰れた際にも授業料の返金される学校」だけでなく、「返金を受けるための手順」も知っておかなければなりません。

そんなわけで手始めに、まずは「NZQAの定める返金規定」を確認してみましょう。

NZQAが定めるキャンセル時の返金規定について

第一に、ニュージーランド政府は法律で授業料の返金規定を定めています(法律の全文はニュージーランド立法府で公開されています)。

またNZQAのサイト内でも以下のように、その抜粋を公開しています。

そしてこれは指導や努力目標ではありませんので、もしも学校側がこの規定に満たない返金をした場合は告訴も可能です。

NZQAの定める返金規定(簡易翻訳版)
3か月を超える就学 コース開始後10営業日までに申請した場合、学生が支払った金額から正当な費用を差し引いた後、その残金から最大で25%を徴収して、それ以外を返金します。
5週以上、3か月未満 コース開始後5日目までに申請した場合、支払った金額から手数料として25%以下を差し引き、残りを返金します。
5週間未満 コース開始後2日目までに申請した場合、支払った金額から手数料として50%以下を差し引き、残りを返金します。ただし2日未満の就学の場合、学校は手数料として学生が支払った額の100%を保持できます。

NZQA認定校はこの規定ぴったりで返金することも出来ますし、これより多く返金しても構いません。更にキャンセルのお申し出期間に関する条件を緩める事も可能です。

しかしこの Education Act 1989 で規定された下限ラインを割り込む契約は出来ません

つまりこれは「最低賃金」みたいなものです。
経営者がどんなに時給を下げたくても最低賃金以下でアルバイトを雇えないのと同じように、学校はこれ以上有利なキャンセル規定を作れません。

以上の理由から、学校によってキャンセルした際の返金額は変わります。
たとえば全く同じ状況でもA校は80%の返金があり、B校では50%の返金ということもありえます。

しかしそれでもB校がNZQA認定校の場合、少なくとも Education Act 1989 の下限条件はクリアーしていますので、「両者の義務と権利が対等に釣り合うポイントとして、ニュージーランド立法府が規定しているライン」は死守できています。

つまりNZQA認定校に申し込んでいる限り、学生が不当に搾取されることはありません

以上を踏まえつつ英語学校紹介から気になる学校をクリック、返金の詳細をご確認ください。弊社の取り扱い学校は、全てNZQAの規定条件をクリアーしています。

でも学校が潰れちゃったら、返金もなにもないんじゃないの?

それがそうでもないのです。
実は学校の銀行口座は第三者によって管理されていて、学校は自由にお金を使えない仕組みになっているのです

NZQA認定校は、信託口座(トラスト口座)で留学費用を管理します

NZQA認定校は法律により、学生の留学費用を信託会社や会計士などの第三者が管理するトラスト口座と呼ばれる特別な信託口座で管理しなければなりません。

そしてこの信託口座にも学生の留学費用を守るための運用規定があり、NZQAが定期査察でその実態をチェックしています。

キャッシュフローまで管理されている、ニュージーランドの学校経営

通常、企業の銀行口座に入金したお金はその企業自身が管理します。
例えば04月02日に100万円の入金があったなら、翌日の04月03日には全額を引き出せます。これはもう、当たり前の話です。

しかしNZQA認定校には、その当たり前が許されていません。

学校は留学生からの送金を会計士や信託会社が管理する信託口座で受け付けなければならず、実際にコースがスタートするまで、学生のお金には触れられないルールになっているのです。

留学費用の引き下ろしは、「コース修了期間に応じた段階的手順」を踏むことになります。
具体的には2週目が終わったら10%、4週目が終わったらその次の10%のように、会計士はその都度、決められた額を信託口座から学校の通常口座に送金します。

そしてもちろんNZQAがこの点を定期審査でチェック ⇒ もしも何かしらの不正があった場合は、NZQA登録の抹消を含む厳しい措置が講じられます。

このシステムにより、たとえ学校が潰れたとしても、学生の留学資金は第三者によって安全に守られます

信託会社は学校が倒産すると分かっていても、絶対に留学生のお金を引き出しません。

ニュージーランド政府やNZQA枠組み、そもそもの契機は・・・

「どんなにキャッシュ・フローが悪くなっても、それこそ学校が倒産するような状況になっても、留学生のお金を使う事は許しません。その場合はどうぞ倒産して下さい。
そして会計士、信託会社は最後まで学生の留学費用を守って下さい」

NZQAによる学校の資金管理がここまで厳しくなったのは2003年に発生したニュージーランド国内最大手校「Modern Age Institute of Learning」の倒産、そして他でもない日本の最大手留学エージェント、「ゲートウェイ21」社が2008年に倒産したためです。

特に2003年の学校倒産時はホームステイを追い出される学生や留学の中断を余儀なくされた学生が続出し、ニュージーランド教育省、移民局、そして議会をも巻き込んだ社会問題にまで発展しました。

その結果ニュージーランド政府は学費やステイ代金を国費で肩代わりまでして留学生を守り、信託口座の運用に関する法の抜け穴を整備し、教育法の整備を行い、NZQAの学校への影響力を更に強化しました。

この政府決定で救われた日本人留学生は100人を超えています。私は日本人としてこの点、今でもニュージーランド人とニュージーランド政府に深く感謝しています。
また留学業界の一員として当時の英語学校協会のチェアマンだったパトリックの尽力にも、謝意を表します。

そしてその後に起こった2008年のゲートウェイ21社の倒産、その被害はアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、そして勿論ニュージーランドにも及びました(「ゲートウェイ21」でgoogle検索)。

あれ?2003年のトラブルの後に作った法律でも、2008年の日本人留学生を守れなかったの?

守れなかったのです。
そして実は現在もまだ、「NZQA認定校への留学で留学資金も航空チケット代も払ったのに、日本を出発することさえできなかった」といった被害が続いています。

え?なんで?

その理由はとても簡単で、学生からお金を受け取ったエージェントが倒産したり、持ち逃げしてしまうためです。英語学校を特別法で縛れるNZQAも、一般企業である留学エージェントまでは縛れないのです。

留学エージェントの私が書くのもなんですが、エージェント選びはとてもとても難しいものです。

ですから現状で出来ることして最低限、NZQAの取り組みを軽視する留学エージェントを選択肢から排除しなければなりません。

そしてその為には結論だけでなく、その結論に至る流れや意味を把握しておく必要があります。でないと見え見えの落とし穴や騙しに気づくことなく、過去と同じパターンで失敗してしまいます。

まとめ:NZQAによる学校の管理

ニュージーランドの留学は、NZQAによって支配的に管理されています。
NZQAの管理は学校のカリキュラムや経営、会計、学校法人としての認定にまで及び、基本的には「NZQA認定校であれば大丈夫」という状況を作れています。

しかしながら、現実問題としてNZQA認定校に申し込みをしていても返金トラブルに巻き込まれている学生や、学費の持ち逃げ被害に遭っている学生も多いです。そしてこれは間に入っている留学エージェントが、適当な経営をしているためです。

それを踏まえてこのシリーズの最終ページ、「安全で確実な留学手続きに関する結論」でその解決策をご紹介しています。

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