留学先の語学学校選びで日本人割合を気にする方は多いです。
しかし現実的な問題として、そもそも日本人が少ない学校 = 不人気な学校です。
ちょっと厳しい現実ですが、SNSが一般化した現在、「他の留学生にバレていない優良校」はありません。
- 日本人が少ない英語学校 = 不人気校です
- 他の留学生にバレていない優良校はほぼありません
それを踏まえつつこの記事ではそもそもの「学校選び」と「日本人割合」の関係性を客観的に考えてみます。
もしかするとこの記事を読み進める中で、「私が求めているのは日本人が少ない学校ではない」という風に考えが変わるかもしれません。
優良校は基本、日本人割合が高いです
留学は個人の体験ですので「どういった学校が優良校なのか」を一般化するのは難しいところです。
たとえば英語力をしっかり伸ばせるのが良いと考える方もいますし、アクティビティが豊富で楽しく学べる学校を優良校と考える方もいます。
またIELTSやケンブリッジなど国際テストの合格率で判断する方もいます。
ただ、どんなタイプであれ強みを持つ学校には自然と留学生が集まりますので、日本人が多い学校 = 何かしらの売りがあるというのは間違いありません。事実、「売りがないのに留学生が集まっている学校」というのはありません。
逆に日本人が少ない学校には、少ないだけの理由があります。
大抵はマーケティング的な問題か、講師レベルの問題か、カリキュラム的な問題か、経営方針の問題だったりするのですが、とにかく何かしらの理由があって留学生が集まらないのです。
少なくとも「講師レベルが低い」、「(日本人が不得意とする)会話系の授業に力を入れていない」というのは疑っておく必要があります。どちらか一つだけでも解決していれば、日本人は増えていきます。
ちなみに「優良校なのに日本人割合が低い」のは「この1年で経営方針が変わった」か「地方にある」の2パターンくらいです。
特に後者の「地方にある」は日本の留学マーケットでは不人気なため、どの国でもちょくちょく見かけます。
ここで「地方にある = 良い学校」とは言っていない点に注意です。田舎にもダメ学校、普通にあります。
以上より第一の結論として学校選びで日本人割合を最優先してしまうと、微妙な学校に辿り着くことが多いです。
もちろん絶対とまでは言いませんが、それでも前提として日本人が少ない = 学校としてセールスポイントが無いことが多いのです。
日本人割合が低い英語学校を探す理由
そもそも何故、日本人割合が低い英語学校が求められているのでしょう?
「周りに日本人留学生がいると日本語を話してしまうから、できるだけ日本人が少ない学校を希望している」
「日本人が少なければ英語に触れる機会が増えそう」
過去に日本人割合を気にされた方のほとんどがこの2つを理由とされていましたが、これはロジックとして間違っています。
この方向で学校探しを続けてしまうと以下の理由で学校選び、失敗してしまう可能性が高いです。
まずはこの点、説明してみます。
日本人割合が低い学校の方が、日本人同士で固まりやすい?!
「日本人同士でいると怠けてしまいそうなので、日本人割合が低い学校を希望する」
こういった希望に沿って日本人がほぼ居ない学校を選択するのは簡単ですが、実際には判断が難しいところです。
・・・と言うのも学校全体の日本人割合が10%の学校であっても、クラスによっては30%を超えることがあるためです。
たとえば100人の学校に10人の日本人であっても初級クラスは学生数9名で日本人は2人、そこにあなたが入ると日本人割合は30%です。正直、これはよくある話です。
「それでも日本人割合が高い学校の方が、そうなる可能性は高いでしょ?!」
その通りです。
「それに日本人割合が十分に低ければ、クラスの日本人は2人とかになるんじゃない?」
これもその通りです。
ですから本当に日本人を避けるのならば、絶対的に日本人が居ない学校に行くしかありません。つまり学校全体で日本人が1人、2人の学校です。
しかし【日本人割合5%以下の学校】というのは逆に、【自分以外の日本人と仲良くなりやすい学校】でもあります。
ここはイメージと実際にギャップがある部分ですので、ちょっと詳しく説明してみます。
日本人割合5%以下の学校、実際のクラス風景
ここで一度、日本人がほぼいない学校のクラス風景を想像してみます。
例えば12人クラスで韓国人が3人、中国人が3人、タイ人が2人、スイス人が2人、サウジアラビア人が1人、そして日本人はあなたが1人だけ。
これを分かりやすくすると以下のような割合になります。
- 日本 8%
- 韓国 25%
- 中国 25%
- その他のアジア 17%
- 中東 8%
- ヨーロッパ 17%
クラスの国籍比率としてこれは完璧です。
また放課後の学校ロビーには韓国人が15人、中国人が10人、他のアジア系が5人、中東系が10人、ヨーロッパ系が5人、南米が3人、日本人はあなたともう1人といった比率です。これもやはり数字的にはパーフェクトな状況です。
- 日本 4%
- 韓国 30%
- 中国 20%
- その他のアジア 10%
- 中東 20%
- ヨーロッパ 10%
- 南米 6%
しかしこの状況はもう1人の日本人とあなたがくっつき易い状態でもあります。
『あっ!日本人見つけた!!! (*’▽’)ノ
良かったー!!わたし、日本人が少ないからこの学校を選んだんだけど、最近、日本語が恋しくて・・・
あなたが来てくれて助かりました!
これから日本人同士、仲良くやっていきましょう♪』
このようにたとえあなたが日本人を避けたいと思っていても相手はそうでは無いかもしれません。
そして日本人が少ない学校というのは、良くも悪くも逃げ場がありません。
日本人が少なければ少ないほど、このタイプの方を無視するのが難しくなります。
そして残念なことにこのタイプの日本人留学生は、世界中どこにでも一定数いるのです。
しかし日本人が多い学校には最初から日本人グループがあるので、このタイプの方から話しかけられることは無かったりします。
ですから「日本人同士で固まりたい人たち」を避けたいのならば、むしろ多少の日本人は居たほうが良いのです。
具体的には5~10人くらい日本人が居れば、簡単にこのタイプの人たちを避けられます。
ちなみに上記のような誘いを断れる強さがあるのなら、そもそも日本人割合を気にする必要がありません。どの学校で日本人に話し掛けられても、普通に断ればOKです。
日本人割合が低い学校をあえて選ぶ日本人留学生の特徴と傾向
話は前後しますが、これだけSNSが広がった現在、良い学校には日本人が集まっています。
そして日本人が少ない学校というのは、単純に人気の無い学校です。
そして不人気校は基本、授業が面白くありません。
授業が面白ければ留学生は集まります。
日本人の不得意分野をカバーするカリキュラムを組むなり質の高い講師陣が揃っているのなら、放っておいても学生は集まります。
それができていないからこそ、日本人割合が低いままなのです。
それを踏まえつつ、それでも日本人割合の低い学校を選ぶ学生は、
「他に日本人がいると英語の勉強はできない」
「まわりに日本人がいると英語を話さなくなると経験者に言われた」
「逃げ場を断たないと、たぶん勉強しないから」
こういった、どこか消極的な理由を持っている傾向があります。
その結果として日本人割合の低い学校には、消極的な留学生が集りがちです。
実際にカリキュラムやコースの充実、国際英語検定試験のスコアを求めるタイプの積極的な留学生は、ほとんどが人気校を選びます。
・・・さらに「ネット調べてもほぼ出てこない学校」や、「日本人がまず通わない学校」は危険です。そういう学校には「普通では満足できない個性的な学生」や「不人気校を敢えて選ぶタイプの学生」や「流行りには流されないぞ!的な芯の強さを持つ学生」が多いわけで、、、まぁ、うん。とにかく傾向として個性的な方が揃いがちです。
ちなみに当たり前のことですが、「日本人を避ける」というのが悪いわけではありません。間違っているわけでもありません・・・が、「環境によって勉強する」というのは「環境によっては勉強しない」ということでもあります。
「流れで日本人のクラスメートと仲良くなったから勉強しない」
「日本人が居るから英語は話さない」
「逃げ場があるから勉強しない」
出発前に不安に思う気持ちは分かりますが、環境はあくまで補助的なものです。
そして環境に頼り過ぎたために、結局は日本語のインターネット生活にのめり込んでしまう留学生は少なくありません。
現地でそうならないよう、学校を決める際には視野を広げて考える必要がありそうです。
あらためて、日本人割合10%の学校でもクラス割合は30%を超えるケースがあります
さて日本人割合5%以下の学校についてはこれくらいにして、次に「5~25%の学校」を考えてみます。
このレンジですとどの学校でも、英検準1級レベルに日本人はほぼ居ません。
またタイミングにもよりますが、英検2級レベルでも日本人はクラスに1~2人だけといったケースが多いです。
つまり日本人割合が25%の学校であっても英検2級レベルに達した所で、日本人割合について気にする必要がなくなります。
さらにこのレベルは「英語力が上がったことで外国人の友達が増え、グループ内の日本人同士でも英語で話す」というのが始まる頃でもあります。
しかし逆に、英検4級から準2級までのクラスの日本人割合は高くなる傾向があります。
そして前述のとおり学校全体の日本人割合が10%であっても、初級クラスの日本人割合はしばしば3割を越えてきます。
ここまでをまとめると「日本人がほぼ居ない学校」は選択肢としてかなり難しく、またそれ以外の学校だと「英検2級レベルまでは日本人割合、あまり参考にならない」ということになります。
もう面倒なので本音を書いちゃいます
もうここらで結論を書いちゃいますが、そもそも日本人割合は学校や留学エージェントの営業ツールでしかありません・・・と書くとあちこちから怒られちゃいますので、「営業ツールの側面がとてもとても強い」としておきますけど。
いずれにせよ日本人割合は不人気校をおすすめするのに便利な数字という側面が強く、出発前の留学生が受けるイメージと実態は大きく乖離しています。
正直、留学における日本人割合というのは「嘘ではないけど、特に意味のない数字」です。
少なくとも留学生自身がデータとして追う価値はありません。
この数字を追うよりは普通に人気度やコース内容で判断する方が、ベストな学校にたどり着けます。
それでも日本人を避けたい場合は?
それでもやっぱり日本人を避けたいというの、あると思います。
その気持ち、よく分かります。
そして日本人を避けたいのならばある程度日本人が居る学校で、日本人と話さないようにするのがベストです。
具体的に「全体で5人以上日本人が居る学校」ならばすでに日本人同士のグループがありますので、こちらから話し掛けないだけで簡単に日本人を避けられます。
つまり自分自身が「留学中は日本人とつるまない」と決めさえすれば、日本人割合は10%でも20%でも30%でも同じなのです。
ちなみにマーケティング的におすすめ校の日本人割合は、20~25%程度に落ち着くパターンが多いです。
小規模学校なら20%前後、中~大規模なら25%前後が目安です。これはマーケット的に中~大規模校は「上位レベルの授業に定評がある」=「長期留学生の割合が高い」=「優良校の一般的な状況にプラスして上位レベルに日本人が多く居る」=「結果として小規模学校より日本人割合が上がる」ケースが多いためです。
ただし30%を越えますと、「流石に日本人だらけ」になりますので、これはこれでじっくりと考える必要があります。
30%でも40%でも日本人を避けるのは簡単ですので気分的な問題ではあるのですが、それでもやはり折角の留学、日本人ばかりというのも微妙だと思います。
その上で「どのように日本人を避けたいのか?」を考える
以上を踏まえ、出発前に自分自身が「他の国の友達と一緒に勉強する」のが好きか、「一人で黙々と勉強する」のが好きかを考えて行くと良いでしょう。
前者であれば英語圏以外の国への興味 = 例えばタイに興味があるのなら積極的にタイ人グループに入る心持ちで留学をスタートできます。
後者であれば予備校で勉強するような姿勢で入っていけます。
【他の国からの留学生の輪に飛び込む】
【日本人どころか、他の国からの留学生も全て避けていく】
つまり考えるべきは英語学校のデータではなく自分の気持ち、それを把握することが成功への近道ということになります。
・・・それで、具体的な学校の紹介はしてくれないの?
すいません、現在弊社は留学先のご紹介はお休みしています。。
それでも以下のページでこっそりとおすすめの学校を紹介していたりもしますので、参考にしてみて下さい。
またそれ以外ですとニュージーランド英語学校協会に正式登録されている学校から探していくと良いかな、と思います。