NZに医薬品を持ち込む場合、審査時に内容を説明できなければなりません。個人利用目的で3か月分までの通常の薬/医療品についてはNZ入国カード(入国審査カード)で申告する必要はありませんが、税関職員さんから質問があった場合に何の薬なのかを英語で説明できるよう準備しておきましょう。
また特定の薬は英文の処方箋を用意する必要があり、更に1か月分までしか持ち込めません。
以上より対策として「薬は基本、3か月分まで」、「薬の種類は英語で説明できるようにしておく」、「日本の医師に処方箋を書いてもらってるような特殊な薬は、英文の処方箋を用意する」の3点がポイントになります。
新型コロナウィルス後の薬の持ち込みについて

ニュージーランドの薬の持ち込みに関するルールはこまめに更新されますので、新型コロナウィルス後のルール変更が予想されています。具体的に、2021年か2022年に入国カードの申告内容に変化があるかもしれません。

前回は2018年09月に規制が緩和される方向で変更がありました。
いずれにせよ2020年09月更改の最新バージョンの入国カードでは「3か月分を超える分量、あるいは他人用の処方薬を持っているケース」にのみ申告を求められているのですが、新型コロナウィルスのワクチン実用化後はこの点の変更が予想されています。
また入国カードの書き方については以下をご確認ください。
ニュージーランドに持ち込める薬について

あくまで実際の運用的な話ではありますが、日本のドラッグストアーで売っている市販薬であれば基本、ニュージーランドに持ち込めます。風邪薬、頭痛薬、胃腸薬、特に問題はありません。
ただし実際にはニュージーランド政府の専門機関によって、薬の持ち込みには厳格なルールが設定されています。具体的に以下のサイトでNZの薬事法や関連法、輸入が禁止されている成分などが公開されています。
しかし実際には成分表から風邪薬や頭痛薬の持ち込み可否を一つ一つ判断するのは不可能ですので、本ページでは実際的 / 運用的なラインでインフォをしています。
ですから「日本の薬局で買った薬を持ち込もうとしたら税関職員に捨てるよう言われた」ということもあるかもしれません。
以上よりもしも厳格な法的根拠をお求めの場合は、上記のニュージーランド政府機関に直接ご相談ください。
ニュージーランドに持ち込めない薬もあります

改めまして、ニュージーランドには独自の法律がありますので、日本の薬の中にはニュージーランドに持ち込めないものもあります。これは簡単な話、マリファナが解禁されている国からの旅行者が日本にマリファナを持ち込めないのと同じです。
そして禁止されている薬の成分はニュージーランド政府のサイトで公開されていますが、薬の商品名の表記はありません。ですから薬剤師さんや医師以外には、その薬をニュージーランドに持ち込めるかどうかの判断が難しい所です。
それでも実際の処理ベースでは封を切っていない日本製の市販薬・サプリメントであれば税関で調べられることなく、そのまま持ち込めるケースがほどんどです。つまりニュージーランドの税関職員さんは一般的な日本の薬の内容を把握している方が多く、有名どころの薬であればパッケージを見ただけで検査を終えるケースもあります。

「開封していない」はかなり重要です。開封済み / 使いかけの薬は、その場で捨てるように求められてしまうことがあります。
以上よりNZに持ち込めない薬はほぼ全て「医師から処方されている薬」です。つまり気を付ける必要があるのは、医師から処方されている薬だけです。
日本の病院や医師から処方されている薬の取り扱い

例えばアトピーの症状を抑える薬やアレルギーの薬など、医師から処方されている薬の持ち込みには英文の処方箋が必要です。
入国当日、税関職員さんは英文の処方箋をもとに持ち込みの可否を判断しますので、出発前に担当医に相談をして必ず英文の処方箋を書いて貰いましょう。
また現地で薬を失くしてしまった場合も現地の医師に英文の処方箋を提示 ⇒ 簡単な検査 ⇒ ニュージーランド国内で通用する処方箋を書いて貰うことで、比較的容易に同じ成分薬を購入できます。海外では英文の処方箋、とてもとても重要です。
税関職員さんからの質問はあります
ニュージーランドの入国カードは「3か月分を超える分量、あるいは他人用の処方薬を持っているケース」にのみ申告を求めていますが、税関職員さんから薬について質問されることは多いです。
「荷物は自分でパッキングしましたか?」
「食品の持ち込みはありですね。どんな食品ですか?」
「薬は持っていますか?それはなんの薬ですか?」
この3つはポピュラーな質問ですので、食品や市販薬については英文で簡単なリストを用意しておきましょう。また処方薬の説明を求められた際に備えて、英文の処方箋も準備しておきましょう。
念のため、食品の持ち込みは以下をご確認ください。
ニュージーランドに持ち込める薬の量

ニュージーランドに持ち込める薬の量は「自分用、3か月分まで」と決められています。ですから実務ベースからの目安としては、靴箱1つ分程度であれば問題にならないケースがほとんどです。
幾つかの指定薬は3か月ではなく「1か月分まで持ち込み可」と決められていますが、これも基本的には処方薬のみですので、市販薬についてはスルーでOKです。指定薬の詳細が気になる場合は政府機関にお問い合わせください。
持ち込む薬の量を減らす方法

大前提として、ニュージーランド国内でも普段使いの基本的な薬を購入できます。
例えば風邪薬 / 痛み止め系ですとイブプロフェン、アセトアミノフェン(パラセタモール)系はニュージーランド国内のスーパーや薬局で安価に購入できます。
またサプリメントやプロテイン、コンタクトレンズのケア用品、スキンケア、デンタル系、ヘアケア用品なども基本、ニュージーランド国内で簡単に購入できます。
ちなみに日本とニュージーランドを比べて持ってきた方が良いのは傷薬くらいですが、これも抗生物質系の軟膏を1つ持っておけば十分かと思います。
ニュージーランドへの薬の持ち込みの注意点
以上を踏まえ、状況を整理すると注意点は以下のようになります。
- 税関職員による荷物チェックの際に、薬がある旨を口頭で伝えます
- 必ず新品を用意して、箱・袋は開封しない
- 税関職員から質問を受けた際に「これは頭痛薬、これは痛み止め」のように説明できるよう準備します
- 薬が多い場合、簡単な英語の薬リストを作っておくと良いでしょう
- また医師・病院から処方された薬については、必ず英文の処方箋を用意します
- 総量としては靴箱1つ分までが常識的な目安です
またもしも税関職員から「持ち込み不可」と判断された場合、その指示に従う必要があります。とりあえず市販薬であればNZ入国後に代替薬を購入できますし、処方箋薬も大抵は同成分薬を入手できますので、焦らず落ち着いて指示に従いましょう。
生理用品について

生理用品は使い慣れたものを滞在期間分お持ちになる方がほとんどです。またこれは薬とは別枠で考えますので、「靴箱1つ分の薬と、靴箱2つ分の生理用品を持っていく」といった状況になります。
ちなみにニュージーランドの生理用品は日本から見て5年遅れ、特に肌が弱い方にとっては厳しいかもしれません。
ただし最近はアジア系スーパーで日本の製品や日本製に近いアジア製品を売っていますので、手持ちが少なくなった際にはそこで補充可能です。

昔のブログには大変だった体験談が数多く語られていますが、今はそこまで心配する必要はありません。アジア系スーパー、かなり充実しています。
もしくは滞在中にご家族から別送して貰うのも良いアイデアだと思います。
ニュージーランドへの薬の持ち込みに関するまとめ
Q.ニュージーランドに薬を持ち込めますか?
未開封の市販の薬であれば、基本的には持ち込めます。また医師の処方薬につきましても英文の処方箋があれば大抵は持ち込めます。
Q.どれくらいの量を持ち込めますか?
市販薬であれば個人使用で3か月分までの持ち込みが許可されています。目安としてはティッシュ箱くらいの量であれば常識の範囲内です。
Q.ニュージーランド国内でも薬は買えますか?
スーパーマーケット内の薬局などで普段使いの基本の薬、気軽に購入できます。
