ニュージーランドに医薬品を持ち込む場合、税関で聞かれた際にその内容 / 詳細を説明できなければなりません。
ルール上、個人利用目的で3か月分までの通常の薬 / 医療品についてはNZ入国カード(入国審査カード)で申告する必要はないのですが、それでも税関職員さんから質問があった場合に何の薬なのかを英語で説明できるよう準備しておきましょう。
またその上で病院で処方された薬は英文の処方箋を用意する必要がありますし、更に含まれている成分によっては1か月分までしか持ち込めないものもあります。
以上より対策として「薬は基本、3か月分まで」、「薬の詳細は英語で説明できるようにしておく」、「病院で貰っている薬は、英文の処方箋を用意する」の3点がポイントになります。
そして入国時に税関職員さんから「これは1か月分しか持ち込めない」と言われた際には、それに従う必要があります。
この点はニュージーランド税関のページで詳細が明記されています。
新型コロナウィルス後のNZへの薬の持ち込みについて
ニュージーランドの薬の持ち込みに関するルールはこまめに更新されますので注意が必要です。
具体的に2022年07月の入国カードでは「3か月分を超える分量、あるいは他人用の処方薬を持っているケース」にのみ申告を求められているのですが、今後この点に変更が加えられる可能性があります。
以上を踏まえつつ、入国カードの書き方については以下をご確認ください。
ニュージーランドに持ち込める薬について
あくまで運用的な話ではありますが、日本のドラッグストアーで売っている市販薬であれば基本、ニュージーランドに持ち込めます。
つまり風邪薬、頭痛薬、胃腸薬などの持ち込みは特に問題ありません。
ただし実際にはニュージーランド政府の専門機関によって、薬の持ち込みには厳格なルールが設定されています。
具体的に以下のサイトでNZの薬事法や関連法、輸入が禁止されている成分などが公開されています。
しかしながら成分表から風邪薬や頭痛薬の持ち込み可否を一つ一つ判断するのは難しいので、本ページでは実際的 / 運用的なラインでインフォをしています。
ですから「日本の薬局で買った薬を持ち込もうとしたら税関で捨てるよう言われた」ということもあるかもしれません。
それを踏まえつつ、もしも厳格な法的根拠をお求めの場合は上記のニュージーランド政府機関に直接ご相談ください。
ニュージーランドに持ち込めない薬もあります
改めまして、ニュージーランドには独自の法律がありますので日本の薬の中にはニュージーランドに持ち込めないものもあります。これは簡単な話、マリファナが解禁されている国からの旅行者が日本にマリファナを持ち込めないのと同じです。
そして禁止されている薬の成分はニュージーランド政府のサイトで公開されていますが、薬の商品名の表記はありません。
ですから薬剤師さんや医師以外には、その薬をニュージーランドに持ち込めるかどうかの判断が難しい所です。
それでも実際の処理ベースでは封を切っていない日本製の市販薬・サプリメントであれば税関で調べられることなく、そのまま持ち込めるケースがほどんどです。
つまりニュージーランドの税関職員さんは一般的な日本の薬の内容を把握している方が多く、有名どころの薬であればパッケージを見ただけで検査を終えるケースが多いのです。
だからこそ「開封していない」はかなり重要です。開封済み / 使いかけの薬は、その場で捨てるように求められてしまうこともあります。
以上よりNZに持ち込めない薬はほぼ全て「医師から処方されている薬」です。つまり気を付ける必要があるのは、病院で処方された薬だけなのです。
日本の病院や医師から処方されている薬、処方箋のNZ国内での取り扱い
例えばアトピーの症状を抑える薬やアレルギーの薬など、医師から処方されている薬の持ち込みには英文の処方箋が必要です。
入国当日に税関職員さんが英文の処方箋をもとに持ち込みの可否を判断しますので、出発前に担当医に相談をして必ず英文の処方箋を書いて貰いましょう。
ちなみに英文の処方箋は現地で薬を失くしてしまった際にも役立ちます。
現地の医師に英文の処方箋を提示 ⇒ 簡単な検査 ⇒ ニュージーランド国内で通用する処方箋を書いて貰うことで、比較的容易に同じ成分薬を購入できます。海外では英文の処方箋、とてもとても重要なのです。
3か月分未満の量であっても、税関職員さんから質問されます
ニュージーランドの入国カードは「3か月分を超える分量、あるいは他人用の処方薬を持っているケース」にのみ申告を求めていますが、3か月分未満の量であっても税関職員さんから薬について質問されることは多いです。
「荷物は自分でパッキングしましたか?」
「食品の持ち込みはありですね。どんな食品ですか?」
「薬は持っていますか?それはなんの薬ですか?」
この3つはポピュラーな質問ですので、食品や市販薬については英文で簡単なリストを用意しておきましょう。また病院で処方された薬はたとえ数日分であったとしても、必ず英文の処方箋を準備しておきましょう。
それから念のため、食品の持ち込みについてもざっとご確認おきください。
ニュージーランドに持ち込める薬の量
ニュージーランドに持ち込める薬の量は「自分用、3か月分まで」と決められています。ですから実務ベースからの目安としては、靴箱1つ分程度であれば問題にならないケースがほとんどです。
幾つかの指定薬は3か月ではなく「1か月分まで持ち込み可」と決められていますが、これも基本的には処方薬のみですので、市販薬についてはスルーでOKです。指定薬の詳細が気になる場合は政府機関にお問い合わせください。
持ち込む薬の量を減らす方法
大前提として、ニュージーランド国内でも普段使いの基本的な薬を購入できます。
例えば風邪薬 / 痛み止め系ですとイブプロフェン、アセトアミノフェン(パラセタモール)系はニュージーランド国内のスーパーや薬局で安価に購入できます。
またサプリメントやプロテイン、コンタクトレンズのケア用品、スキンケア、デンタル系、ヘアケア用品なども基本、ニュージーランド国内で簡単に購入できます。
ちなみに日本とニュージーランドを比べて持ってきた方が良いのは傷薬くらいですが、これも抗生物質系の軟膏を1つ持っておけば十分です。
ニュージーランドへのコンタクトレンズの持ち込み
コンタクトレンズは現地でオンライン購入できます。
具体的にはレンズ販売サイトでBC(ベースカーブ)やSphere(度数)、また乱視であればAxis(軸)などのデータを入力して通常のショッピングのように購入できます。
ですから以下のサイトで現在お使いの商品と同じものが買えるのであれば、日本から大量に持ち込む必要がありません。現在お使いのレンズの詳細をメモしておけばOKです。
ちなみにこの店はニュージーランドで最も有名な眼鏡屋さんチェーンですのでワンデイや長期の商品、また乱視に対応したコンタクトレンズも取り扱っていて便利です 。
またコンタクトの度が合わなくなってきた際には店舗で視力チェックもできますので、長期滞在する際は助けになります。
コンタクトレンズの詳細は現在お使いの商品の箱に書かれています。念のために画像を撮ってクラウドやストレージにも保存しておきましょう。
ニュージーランドへの生理用品の持ち込み
ニュージーランド入国に際し、個人利用目的の生理用品は薬とは考えられません。
ですから持ち込む量に制限はなく、「靴箱1つ分の薬と、靴箱2つ分の生理用品を持っていく」といった状況になります。
実際に生理用品は使い慣れたものを日本から滞在期間分お持ちになる方も多いです。
ただし最近はアジア系スーパーで日本の製品や日本製に近いアジア製品を売っていますので、手持ちが少なくなった際にはそこで補充可能です。
一昔前は良い製品の入手が困難でしたが、今はそこまでひどくありません。アジア系スーパーの製品、かなり充実しています。
もしくは滞在中にご家族から別送して貰うのも良いアイデアだと思います。
ニュージーランドへの薬の持ち込みの注意点
以上を踏まえ、状況を整理すると注意点は以下のようになります。
- 必ず新品を用意して、箱・袋は開封しない
- 税関職員から質問を受けた際に「これは頭痛薬、これは痛み止め」のように説明できるよう準備します
- 薬が多い場合、簡単な英語の薬リストを作っておくと良いでしょう
- また医師・病院から処方された薬については、必ず英文の処方箋を用意します
- 総量としては靴箱1つ分までが常識的な目安です
- 持ち込む量に関わらず、税関職員による荷物チェックの際に薬がある旨を口頭で伝えます
そして到着当日、税関職員さんから「持ち込み不可」と判断された場合はその指示に従う必要があります。
とりあえず市販薬であればニュージーランド入国後に代替薬を購入できますし処方箋薬も大抵は同じ成分薬を入手できますので、焦らず落ち着いて指示に従いましょう。
その他のチェック項目
入国審査を抜けた後は国内線の乗り換え、もしくは市内へ移動することになります。
まず空港の乗り継ぎについてはこちらから。
次にオークランド市内への移動方法はこちらをご確認ください。
ニュージーランドへの薬の持ち込みに関するまとめ
Q.ニュージーランドに薬を持ち込めますか?
未開封の市販の薬であれば、基本的には持ち込めます。また医師の処方薬につきましても英文の処方箋があれば大抵は持ち込めます。
Q.どれくらいの量を持ち込めますか?
市販薬であれば個人使用で3か月分までの持ち込みが許可されています。目安としてはティッシュ箱くらいの量であれば常識の範囲内です。
Q.ニュージーランド国内でも薬は買えますか?
スーパーマーケット内の薬局などで普段使いの基本の薬、気軽に購入できます。