ニュージーランドの入国審査はとても厳しいことで有名です。
また入国審査官は特にニュージーランド国内での不法就労に目を光らせていますので、滞在中の生活費の所持証明には最大の注意が必要です。ここをミスると入国できません。
その他、タバコやアルコールなどの免税品の範囲やニュージーランドの空港内での注意点を事前に把握しておくことが、スムースな入国手続きに繋がります。
ニュージーランド入国時の滞在資金の所持証明
ニュージーランドに入国する際には、規定額以上の「現地での生活費」を所持していなければなりません。
実際にもしも規定の生活費の所持を証明できない場合は入国を拒否される可能性が高いです。
また求められている金額はビザによって異なり、具体的には以下に相当する資金を持っている必要があります。
- ワーキングホリデーであれば1年あたり4200ドル以上
- 訪問者ビザは1か月あたり1000ドル以上(宿泊費用を支払い済みの場合は400ドル/月)
- 学生ビザは1か月あたり1667ドル以上、もしくは1年で20000ドル以上
生活資金の所持はビザ発給の要件ですので、これを証明できなければニュージーランドには入国できません。移民局の公式サイトでも銀行残高証明書などのサポート書類を準備するよう正式にアナウンスされています。
ニュージーランドを出国する手段の証明
また上記の生活費以外に「ニュージーランドを出国するのに十分な資金(1000ドル程度)」、もしくは「復路航空チケット」も所持していなければなりません。
- ニュージーランド出国費用として「1000ドル程度」 or 「購入済みの復路航空チケット」
ただし訪問者ビザ(いわゆるビザ無しの渡航)の場合は1000ドルの出国費用ではなく、復路航空チケットが必須です。言い方を変えますと「ビザ無しの場合、片道チケットでの入国はできません」。
また復路航空チケットの利用に第三国のビザが必要な場合、その国のビザを事前に取得していなければなりません。
たとえば復路便の目的地がオーストラリアだった場合、NZ入国時に「オーストラリアに入国できるビザ」を所持していなければなりません。ただしトランジット(乗り換え)するだけで中継国に入国せずに日本に帰国する場合や、中継国が「日本人の入国に際して事前のビザ申請を免除している」場合、中継国のビザを取得する必要はありません。
訪問者ビザ(ビザ無しでの渡航)は地味にルールが細かいのでトラブルになることが多いです。業界内でも「簡単そうに見えて難しいビザ」と言われています。
例:ワーキングホリデービザ & 片道航空チケットであれば、最低5200ドルが必要です
以上よりワーホリ&片道チケットの入国であれば「生活費4200ドル」+「日本へのチケット代1000ドル」 = NZの入国審査時に最低でも5200ドルを所持していなければなりません。
そしてこのルールの注意点は「NZの入国審査時に」という部分です。
ですからたとえ現在の手持ちが6000ドルであったとしても、航空チケットや現地保険の加入などで1500ドル使ってしまった場合はビザを持っていても入国拒否される可能性が高いです。
たまに経験者さんのブログで「NZのワーホリは航空券込みで30万円あれば大丈夫」的な書き込みを見かけますが、これは間違った情報です。普通に入国拒否の対象です。
ニュージーランド滞在中の生活費の所持を証明する方法
以上の通りニュージーランドに入国する際には現地での生活費や出国のための資金を所持していなければなりません。
またこの資金は入国審査官から要請された際に、所持を証明できなければなりません。
そして所持金の証明方法ですが、ニュージーランド・ドルの現金を用意する必要はありません。
ニュージーランドの移民法では「相当額」の所持を求められていますので、以下の書類の組み合わせで所持金を証明できればそれで問題ありません。
- 日本への航空チケット(訪問者ビザの場合は必須) or
学生ビザやワーホリビザで片道航空券で入国する場合は「復路航空チケットの購入代金として1000ドル程度の余剰資金があり、且つ、復路航空チケットを買う意思がある」 - 日本の銀行が発行した英文の残高証明書(日本円建ての残高でOKです)
- 支払い済みのホームステイ代金(学校からの計算書及び領収書が必須) and
ホームステイ先の住所と電話番号、ホストの氏名 - クレジットカードや海外キャッシュカードと、その利用可能枠を証明できる書類 and
カードの引き落とし銀行口座の直近の残高を確認できる書類 - 入国時にニュージーランド・ドル、日本円、その他の通貨を現金で所持している
ただし一番最後の現金の持ち込みはセキュリティ的にNGです。もしも移動中に紛失した場合に取り返しがつかないので、これは選択肢から外します。
ちなみに上記の通り、学校が発行した領収書に記載されたホームステイ代金も現地生活費として認められます。
ですからたとえば「ワーキングホリデーで往復チケットでの渡航」 + 「ホームステイで3000ドルの支払いがある」場合、「4200ドル」 – 「既に支払ったステイ代金3000ドル」 ⇒ 「資金証明は1200ドルあれば十分」です。
一番確実な生活資金所持の証明方法
入国審査において一番確実な書類は、日本の銀行が発行した英文の残高証明書です。これとニュージーランドの学校が発行した領収書で揉めることはほぼありません。
こまかい点ですが、留学エージェントが発行した領収書だと揉めることがあります。
また日本の銀行が発行する英文残高証明書は日本円建てでOKです。
具体的には「567890円」といった表示で【相当額】が確認できれば問題ありません。つまりニュージーランド・ドル建てで証明する必要はありません。
ちなみに残高証明書の発行は有料で、銀行にもよりますが1000円程度のところが多いです。
残高証明書がない場合はスマホでオンライン・バンキングにログイン ⇒ 表示画面を入国審査官が確認 ⇒ 大抵は認められるのですが、「その確認はロビーではなく別室で」というパターンが多いです。
滞在資金の証明は事前に準備している姿勢がとても大切です
実際には入国審査で生活資金証明の提示を求められないケースも多いのですが、だからといって「事前に準備しなくて良い」ということではありません。
やはり「事前準備をしていない」 = 「NZ移民局やNZの法を軽視している」と取られてしまうために、別室での取り調べになってしまいがちです。
ですからもしも英文の残高証明書を用意できない場合でも最低限、「クレジットカードの明細書」、「日本の銀行のオンライン・バンキングで【出発の数日前の残高】と【名義人】が確認できる画面を印刷したもの」を準備しておくのが重要です。
繰り返しになってしまいますが大切なのは「ニュージーランドの法律を守ろうとする姿勢」です。
せっかくのニュージーランド、気持ちよく入国するためにしっかりと準備していきましょう。
学生ビザでNZに入国する際の滞在資金の証明について
学生ビザに関しては申請時に英文の滞在資金証明を提出していますので、発行されたビザの「The conditions of your visa: (ビザの条件)」欄に「Financial support evidence not required.(滞在資金を証明する書類は必要ありません)」と記載されるケースがほとんどです。
この場合、基本的には入国時に滞在資金の証明を求められることはないのですが、それでも念のために学生ビザ申請の際に提出した英文残高証明書のコピーを用意しておきましょう。
タバコ、お酒の免税の範囲
現在、ニュージーランドへのたばこの持ち込みは50本までです。
それ以上の持ち込み分は申告が必要であり、また高い税金が掛かります。
同様にアルコールはワイン6本(4.5リットル)、もしくはビール12缶(4.5リットル)、もしくはウィスキーなどは3本(最大で1本1125ml)までとなっています。
その他、食品の持ち込みについては以下をご確認ください。
ニュージーランドの入国審査で聞かれる質問
ニュージーランドに入国する際に、入国審査官(immigration officer)から受ける質問はある程度決まっています。詳細は以下をご確認ください。
スマートフォン、携帯電話、パソコンの使用制限
テロや犯罪の防止、また審査官への逆恨みや報復を防ぐために、審査エリアでのパソコンやスマートフォン、カメラなどの使用は固く禁じられています。
この点は防犯カメラでも厳重にチェックされていますので、出国ロビーに出るまで電子機器には一触らないようにします。
悪い奴らは審査官の人数や配置を仲間に連絡 ⇒ 隙を付いて違法薬物を持ち込むそうです。それで撮影や通話、SNSやメール送信は一切禁止されているんだそうです。
またパソコンやスマートフォンに猥褻な動画や反社会的な画像が入っている場合、入国拒否や起訴されてしまうケースがあります。
心当たりがある場合はキャッシュを含め、日本を出発する前に全てのファイルを削除しておきます。
ちなみに到着ゲートを出た後のスマホ利用は問題ありません。
ゲートを出てすぐの所に携帯ショップがありますので、国内線に乗り換える際にも時間があればSIMカードを購入できます。
また空港から市内に向かう方法は以下をご確認ください。
入管や税関で足止めになった場合
入国審査官や税関職員による厳密な取り調べが行われると通常は1~2時間の足止めとなりますし、長い時は5~6時間かかることもあります。
もしも空港お迎えを学校に依頼している場合はお迎えスタッフを待たせることになりますが、学校スタッフもお迎えスタッフもそういったケースには慣れています。こちらから連絡を取ることはせず、落ち着いて取り調べに協力していきましょう。
検査場や別室などから外部に連絡した場合、その連絡についても取り調べられる可能性があります。どのような状況であっても到着ゲートを出るまではスマホやカメラの電源は切っておくのが正解です。
ちなみに審査に際しては電話での日本語通訳を頼めますので、もしも質問が分からない場合は無理に答えようとはせず、落ち着いて日本語通訳をリクエストします。
そして全ての取り調べが終わって空港ロビーに出た後は、それが到着予定の何時間後であっても空港お迎えスタッフを探してみる ⇒ それでも誰も居ないようならば学校スタッフに連絡して対応を依頼します。