ニュージーランドでは労働者の権利を守るために最低賃金や有給休暇が法律で定められており、毎年見直しが行われています。
またこれらは正社員だけではなくアルバイトにも適用されますし、地域による差もありません。
本記事では最新の最低賃金とその詳細について解説をしています。
留学やワーキングホリデーの計画を立てる際にお役立てください。
ニュージーランドの最低賃金
NZ労働省のサイトで紹介されている通り、ニュージーランドの最低賃金は税込みで23.15ドル/時間です。
さらにニュージーランドではアルバイトか正社員かに関係なく有給休暇制度が義務付けられていて、1年未満の就労の場合は有給休暇代替賃金(Pay-as-you-go)として8%が足されるのが一般的です。
以上より通常、最低賃金は税込みで25.00ドル/時間になります。
1年以上の就労契約であれば8%上乗せのPay-as-you-goの代わりに、年4週間の有給休暇が初年度から付与されるのが一般的です。ちなみにPay-as-you-goも有給休暇も、アルバイトか正社員かに関係なく認められています。
ちなみにニュージーランドの法律上、給料明細には「leave(未消化の有給休暇の残日数 or 残時間)」や「Pay-as-you-go(有給休暇の給料組み込み)として8%以上の有給手当」といった内容が、基本給とは別に記載されていなければなりません。
もしも給料明細にこの記載がない場合は後々のトラブルを避けるためにも、雇用主に確認しておくと良いでしょう。
最低賃金で働く際の手取り額
前述の通り、ニュージーランドの最低賃金は有給代替賃金と合わせて25.00ドル/時間です。
ただしここから12~15%程度が源泉徴収されますので、たとえばワーキングホリデーで最低賃金で働く際の手取りは21.25~22.00ドル/時間程度になります。
つまりワーホリで8時間働いたら、170ドル程度が銀行口座に振り込まれるイメージです。
以上を踏まえつつ、ニュージーランドを離れる際の税務申告(年末調整) = タックスリターンに備えて給料明細は大切に保管し、更に毎日の就労時間をカレンダーにメモしておくと間違いがありません。
ニュージーランドの最低賃金は試用期間であっても保証されます
ニュージーランドの最低賃金は試用期間であっても保証されます。
つまり就職後、1時間目から最低時給が適用されます。
例外は「17歳以下の就労」と「大学の専門コースや資格取得のために、年60単位以上を取得できる限定されたトレーニングコースで働くケース」くらいですので、ワーキングホリデーや学生ビザでの一般的な就労で最低時給を下回る契約は労働法違反です。
祝祭日の出勤と休日出勤は時給が上がります
ニュージーランドでは祝祭日に働いた場合、時給が1.5倍以上になります。
これもアルバイトか正社員かに関係なく認められている権利です(Holidays and leave pay)。
その他、たとえば契約書で「月曜から金曜まで」のように就労日が指定されている状況で「日曜に休日出勤してほしい」と言われた場合、更に代替有給休暇(Alternative holidays)が貰えます。
これも全ての労働者が持つ権利で、労働法に明記されています。
つまり「月-金」と契約書に書かれていて土曜に休日出勤をした場合、単純計算で2.5倍相当の賃金が貰えます。
ただしAlternative holidaysについては「就労日が指定されていない場合」や「労働条件(出来高制や不定期での契約など)」によって状況が変わることがあります。
この点が不明な場合は就労前に雇用契約書の内容や具体的な条件を確認しておく必要があります。