仕事が無いという事はありません
日本で職歴やアルバイトの経験がおありであれば、現地で仕事に就けないということはまずありません。きちんとしたアプローチで職探しをすれば、大抵は1~2週間で職は見つかります。
ただし以下ようなご要望がある場合、難易度が急にあがります。
- 特定の店、業種でしか働きたくない
- ○○という小さな街で働きたい
- 時給25ドル以上でないと働けない
- 畜産系ファームでしか働く気が無い
- 日本で働いていたのと同じ業界で働きたい
- 就学中に働きたい
こういった条件がある場合は英語力、日本での経験、そして運による部分が大きくなります。
ニュージーランド留学中のアルバイトについて
ワーホリや就労許可付きの学生ビザをお持ちであれば、就学中でも働けます。具体的には放課後、18時からのレストラン勤務などが多いです。
ただし既に就学を終えてフルタイムで働ける方が沢山いますので、留学中の職探しの難易度は高いです。
また授業をパートタイムにしても、授業があるのでフルでは働けない & お昼時に働けないために、やはり難易度は高いままです。
そしてそれ以外、夕方以降のアルバイトは帰宅が22時や23時になってしまいますので、安全性の観点からホームステイ中のアルバイトを許可するホストファミリーはごく稀です。
ですから就学中のアルバイトをお考えの場合、まずはフラットに移る必要があります。
そしてIRD番号(NZで就労する際に必要な税務管理番号です)の登録とフラット探し&職探しに1か月程度は掛かりますので、例えば6か月の留学であっても働けるのは最大で5か月、通常であれば「働けても3-4か月」といった状況です。
- 時間を自由に使える人が多いので、就活の競争で負けてしまいがちです
- パートタイムの就学でも、状況はほぼ変わりません
- ホームステイ中の就学は基本、NGです
- フラットへの引っ越し、銀行口座開設、IRD番号の申請にも時間が掛かりますので、到着後すぐには働けません
その他、学生ビザでの就労には「NZQAがカテゴリー1に認定した学校に限る」という条件がありますので、学校によっては留学中の就労が認められていない場合があります。
以上より基本的には、留学中の就労はハードルが高いという状況です。

しかしそれでも実際に就学中に働いている学生は少なくありません。
タイミングが良かったり、クラスメートからの口コミがあるなどで、働ける時は拍子抜けするほど簡単に働き口が見つかります。
2020年度のニュージーランドの最低賃金
2020年04月01日から2021年03月31日まで、ニュージーランドの最低賃金は税込み$18.90です。また2021年04月01日以降は20.00ドル/時間になる予定です。
ただしここから12~15%程度が源泉徴収されますので、実際の手取りは平均で16.00~16.60ドル程度になります。
ニュージーランドの所得税の税率
ニュージーランドは累進課税で、14000ドル/年までの所得税は10.5%です。
ただし所得税の源泉徴収税率は勤務先により若干の違いがあり、最終的には年末調整(タックスリターン)で過不足が調整されます。
その後、政府による年末調整的なタックスリターンがあり、A社であれば1.5%の28セント/時間分が返金され、B社は3.5%の66セント/時間分の返金があります。つまりA社でもB社でも、最終的な納税額は同じになります。
また14000ドル/年を超えた所得には17.5%の所得税が掛かります。ですから目安として年に20000ドル稼ぐのであれば、所得税は2520ドルになります。そしてそれを見越して、源泉徴収を一律15%としている会社もあります。

ちなみに徴収が15%の場合の最低賃金の手取りは16.06ドル/週ですので、タックスリターン(政府による年末調整)で大きな返金を期待できます。
その他、毎月の収入によって源泉徴収の割合を細かく変える会社も多いですし、祝日出勤の手当などもありますが、いずれにせよ手取りを16.50ドルで考えておけば、大きな間違いはありません。
ニュージーランドのアルバイトの収入の目安 / サンプルモデル
ニュージーランドは最低時給が高いので、大抵の職は最低自給からのスタートです。最初から25ドル、30ドルといった時給を提示されるのは、高度な技術職や専門職に限られます。
ですから8時間@週5日で働きますと、通常は手取り月給3000ドル程度になります(40時間@16.5ドル@4.5週=2970ドル/月)。
しかし最初からフルタイムで働ける仕事はそれ程多くありません。最初は週に20~30時間でスタートして、徐々に就労時間が増えていくケースが多いです。
つまり月収は手取り1500ドルからスタートして、徐々に2000ドル、3000ドルと上がっていくパターンが一般的です。
以上より例えば最初に3か月の留学 ⇒ 6か月のアルバイト ⇒ 3か月のラウンド(NZ国内旅行)をお考えの場合、イメージとしては下記のような収入になります。
1~3か月目 | 留学中に銀行口座、IRD番号を準備する |
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4か月目 | フラットに引っ越してアルバイト開始、ただし給料日までは無収入 |
5か月目 | 週に20時間くらいでスタート、1500~2000ドル/月程度の収入 |
6~9か月目 | フルタイムで働き、3000ドル/月の収入 |
10~12か月目 | 仕事を辞めて、貯めたお金でニュージーランド国内旅行 |
以上より収入の目安は16000~17000ドル程度、1NZドルを70円で考えれば112~119万円の収入を見込めます。
ニュージーランドのワーキングホリデーの代表的な就職先
ワーキングホリデーですと「日本食レストラン」、「ツアーガイド」、「お土産物屋」、「フルーツピッキング」の4つが代表的な就職先になります。この4つであれば、探して見つからない事はまずありません。
それ以外ですと現地のカフェ、美容院、車の整備工場、ホテル業界に就職するパターンも少なくありません。
特に日本人美容師の求人はとても多く、オークランドであれば恒常的にどこかのサロンで募集が出ています。
ですからもしも日本で美容師として働いていてニュージーランドでも美容院への就職をお考えの場合、日本を出発する際にハサミやシザーケースをお持ちになると良いかと思います。
ニュージーランドでの就職先の探し方
過去の例から言いますと、7割程度までが「口コミ」と「学校の掲示板」で就職先を決めています。
そして残りの3割は「インターネットの掲示板や新聞を見て」、「日系フリーペーパーの応募を見て」となっています。
ですから在学中はクラスメートとの繋がりを大切にしつつ現地のフリーペーパーで日系の就職先を探し、下記のサイトなどを利用して現地の就職先を探していきます。
基本、このサイトだけで事足りますが、以下のサイトも合わせてチェックしておくと良いでしょう。

ちゃんとお仕事を見つけられるか、かなり心配なんだけど・・・
クラスメートも大抵は就職先を探していますので、無理に自分一人で探そうとしなくてOKです。実際、欲しい情報や体験談は、ほぼほぼ周りから入ってきます。
ですから職探しで大切なのは、一歩踏み出して周りに声を掛ける勇気です。
最初は中々に難しいかもしれませんが、留学中は周りの友達に
「私もお仕事、探してるんだよね」
と声を掛けていきましょう。それだけで一気に情報が入ってきますし、思いがけない出会いに繋がることも多いです。
ニュージーランドの英語学校やエージェントの就職サポートについて
まず第一に、全ての学校で英文履歴書の添削をしてくれます。
ただしこれを「選択レッスンの中で対応する」、「放課後のアクティビティやワークショップ内で対応する」、「専用デスクで対応する」など、各学校によって具体的な運用が変わってきます。

つまり、履歴書については学校による差はないわけね?
その通りです。
ちなみに英文履歴書の詳細は、以下をご確認ください。これを参考にして完璧な英文履歴書を作れます。
そしてその後は学生本人が会社やファームに英文履歴書を送り、先方のマネージャーと交渉する流れですが、学校や留学エージェントがこの点を代行することはありません。
つまりご依頼を受けて条件に合う職を探し、先方と交渉し、「では、明日からここで働いて下さい」といった斡旋業務をすることはありません。
いずれにせよ学校も留学エージェントも、就職サポートは「分からない部分があればアドバイスをする」といった補完系のサポートです。

つまり「就職先は自分で探さないと駄目」ってことか。でも英語力が心配だな・・・
出発前はそうお感じになるかと思いますが、ここはどうしてもご自身で乗り越えなければなりません。単純な話、仮に誰かの斡旋で就職したとしても、職場での英語の壁がなくなるわけではありません。
ですから「自分で職探しを出来るくらいの英語力をつける」というのが、まず第一の目標になってきます。
就活の際の注意ポイント:「離職を見越した準備」がキーになります
就職する際に気を付けるポイントは、「就労条件のチェック」です。
後々の雇用トラブルを避けるために支払い方法や就労条件を書面化し、雇用者側の同意を得る必要があります。
- いつから働くのか
- 給料は幾らなのか
- 給料の支払日はいつになるのか
- 祝日出勤(holiday pay)と有給休暇(leave)について
- 離職の何週前までに、退職する意思を伝えるべきか
とりあえずこの点を書面、もしくはメールにして、雇用者からの同意を控えておきましょう。
ニュージーランドでアルバイトをする際に認められている権利
まず、祝祭日に働いた場合は時給 / 給料が1.5倍以上になります。
これは正社員でもアルバイトでも平等に認められている基本的な権利ですので、もしも給料に反映していない場合は雇用者に請求可能です。
また有給休暇も、アルバイトで認められている権利です。
これは給料明細に「leave(有給休暇の日数 or 時間)」や「Pay-as-you-go(有給の給料組み込み)として8%以上の有給手当」が、基本給とは別に追加記載されていなければなりません。
それからトライアル期間であっても、最低時給は保証されます。
例外は「17歳以下の就労」と「大学の専門コースや資格取得のために、年60単位以上を取得できる限定されたトレーニングコースで働くケース」くらいですので、一般的なレストランやカフェなどでの就労で最低時給を下回る契約は、トライアル期間中であっても労働法違反です。
また上記の取り決めが守られなかった場合や疑問がある場合は、以下の政府系組織で日本語でのサポートを受けられます。
以上を踏まえつつ、タックスリターン(ニュージーランドの確定申告)に備えて給料明細は大切に保管し、更に毎日の就労時間をカレンダーにメモしておくと間違いがありません。

ちなみに留学エージェントの中には「就職サポート」を大々的に宣伝しているケースもありますが、よくよく確認してみますと「アドバイスまで」となっているパターンがほとんどです。そしてそのアドバイスは、わりとこのページに書いてある内容を話すだけだったりします。