海外出発前の役所手続き

知らないと損をする、海外出発前の役所関係手続き

渡航前に考える必要のある役所手続きは以下の5つになります。

  • 住民票(海外転出届)
  • 国民健康保険
  • 住民税
  • 国民年金
  • マイナンバー

これらは渡航期間や状況、またお住まいの市区町村によって手続き方法が変わりますのでご注意下さい。

住民票(海外転出届)

1年以上の渡航を予定している場合、現在お住まいの市区町村役所に海外転出届を提出する必要があります(これを通常、「住民票を抜く」と表現します)。

逆に1年未満の留学については「日本に在住しながらの旅行」扱いとなり、住民票を抜く必要がありません。

  • ワーキングホリデーの渡航期間は任意です

    ワーキングホリデーは現地で15ヶ月までの延長が出来ますし、またワーキングホリデー後に他の国に行く可能性もありますので、1年を超える渡航として申告可能です
    そして逆に1年未満の渡航として申告する事も出来ます。
    つまりワーキングホリデーの渡航期間は、「届出される方のお考え、予定次第」という事になります

届出窓口
各市区町村役場になります。予め電話で必要事項を確認してくと間違いがありません。
海外転出届の届出期間
出発の14日前~出発前日までが目安となります。
届出人
本人、もしくは世帯主と指定されています。
届出に必要なもの
本人確認書類、印鑑などになりますが、市区町村によって多少変わります。
この点は事前に担当課までお問い合わせ下さい。

転出届が受理されますと、転出証明書が発行されます。
転出証明書は日本帰国後の転入手続きに必要になりますので、大切に保管して下さい。

国民健康保険

海外転出届を出して住民票を抜いた場合、国民健康保険は自動的に脱退(資格喪失状態)となります

国民健康保険を脱退しますと保険料の納付義務は無くなりますが保険給付も受けられなくなりますので、その間は海外旅行保険、もしくはニュージーランドの保険に加入する必要が出てきます。

国民健康保険
  • 国民健康保険と海外の関係

    国民健康保険は「海外で日本の保険の対象となる治療をした場合は保険金を支払う」としていますが、その保険金は実際に掛かった治療費ではなく、「日本で治療した場合の標準額」を元に計算します。
    また海外には保険の対象とならない治療がある点にも注意が必要です。

    結論として、加入するメリットがほぼありません

    国民健康保険に入るという事は、国民年金と住民税も払うという事です。
    その割には対象外の治療もありますし(日本では未認可の高額な薬を使うケースなど)、またそもそも3割負担ですので、国民健康保険に加入するメリットはほとんど無いと言わざるを得ません。

住民税について

1年以上の渡航であれば、住民税は01月01日時点で日本に住民登録されているかどうかで、全てが決まります

例えば2016年12月31日に日本を出発する場合はその日付で日本の現住所が抹消されますので、2017年06月01日からの1年間は住民税が掛かりません。
しかし翌日の2017年01月01日に日本を出発する場合は、2017年06月01日からの1年間も住民税が発生します。
(住民税は毎年05月31日〆、06月01日スタートです)

ですから年末年始から1年を超える海外滞在をお考えの場合、多少無理をしてでも年内に出発するのがベターです。それだけで十万円単位の節税になります。

税金手続き
  • ただし1年未満の留学については、住民税の免除がありません

    海外転出届の提出には「1年以上の海外滞在を予定している」という要件がありますので、もしも日本を離れる期間が1年未満の場合、たとえ事前に住民票を抜いたとしても住民税の支払い義務が生じます。
    その場合は日本帰国後に当該市区町村から納税通知が届きます(日本帰国後、新たに住民票登録する際にパスポートの出国日と入国日のチェックがあります)。

    住民税を免除しない市区町村もあります

    通常、ワーキングホリデーの渡航であれば住民税を徴収しないケースが多いのですが、ワーキングホリデーを単純な旅行とみなし、1年以上の離脱をした場合でも収税する市区町村が幾つかあります。
    つまり「ワーホリは【旅行】だから海外滞在ではない」=「日本に現住所がある」=「住民税を徴収」という考え方です。

以上を踏まえつつ、実際には1年未満の渡航であっても有耶無耶になって納税通知が届かないケースもありますし、しっかりと納税通知が届く事もありますし、税務署で詳細を面談をして個別判断となるケースもあります。

いずれにせよワーキングホリデーの扱いは市区町村によって規定が変わりますので、詳細は事前に市区町村役場に問い合わせをしておくと間違いがありません。

納税管理人の選任

海外滞在中に不動産所得がある場合など、日本国内で発生した一定の所得については所得税が課税されますので、税務手続きの代理人として納税管理人を指定する事になります。

一般的に言われている判断基準としては「確定申告が必要ないのなら、特に選任・指定の必要はない」となりますが、税務は個々のケースに拠る部分がありますので、気になる方は国税局電話相談センターにご相談下さい。

国民年金について

国民年金について

国民年金は任意加入手続きをして海外滞在中も掛け金を支払い続ける事も出来ますし、海外滞在中を【カラ期間】とする事も出来ます

カラ期間とは「年金加入期間としてカウントされますが、将来の補償額がその分だけ減算される期間」の事です。

例えば20年しか掛け金を支払っていない場合は25年の必要加入期間に足りませんので65歳になっても年金を一切受け取れませんが、もしも5年以上のカラ期間がある場合、そのカラ期間も加入期間としてカウントされますので、「25年加入した場合」から見て20/25の割合で減額された年金を受けられます。

年金については個々の状況・お考えがある部分ですのでコメントが難しい所ですが、基本的には長期渡航中はカラ期間にしておく方が多いかと思います。

  • 障害基礎年金の請求権が無くなります

    もしもカラ期間中に障がい者になってしまった場合、障害年金の請求が出来ません。ちなみに障害年金額は1級で96.6万円/年、2級で77.3万円/年です。
    国民年金の任意加入は、ここがポイントになるかと思います。

    納付の猶予、免除があります

    1年未満の渡航の場合、掛け金の納付免除や納付猶予があるかもしれません
    これは前年度の収入や失業状態の詳細、留学のご予定、また各市区町村での対応によっても変わる部分ですので、お住まいの地域の年金事務所に直接お問い合わせ下さい。

海外転出時のマイナンバーの取り扱い

カード番号が失効します
マイナンバー

下記の内閣官房ホームページ、質問ページ「A2-8-2」欄にあります通り、海外転出届を出す場合は個人番号が失効します。

Q2-8-2 海外勤務者(住民票を持たない非居住者)で、マイナンバーが付番されない場合、社会保険等の特別加入においては、非居住者としてマイナンバーは記載しないでよいでしょうか。
また、本人は海外勤務で、家族を日本に残していく場合はどのような対応をしたらよいでしょうか。

A2-8-2 住民票を除票して海外に転出した人にはマイナンバーは付番されません。このため、この間にマイナンバーが必要となる手続きをしなければならない場合は、空欄で提出してください。マイナンバーがない人の場合、記載の義務はありません。
また、本人が海外に単身赴任をした場合、本人のマイナンバーがなかったり、凍結されたりしていても、国内に居住する家族にはマイナンバーが付番されます。家族のマイナンバーが必要な場合には、本人が確認して会社に提供する義務があります。(2015年9月回答)

ただし個人番号失効後も、個人番号カード自体は本人が管理します。

Q3-16 海外へ転出する際は個人番号カード(通知カード)は市区町村へ返納が必要でしょうか。

A3-16 個人番号カード・通知カードどちらでも返納が必要です。ただし、国外転出後に個人番号カード・通知カードは失効しますが、当該カードを返納した者が個人番号を把握する手段を確保するため、当該カードの返納を受けた市町村長は、国外への転出により返納を受けた旨を表示し、当該カードを返納した者に還付します。(2015年9月回答)

つまり海外転出時には「個人番号カード(もしくは通知カード)を市区町村にお持ちになり、海外転出の旨を記載し、カードの失効手続きをして貰い、その上で各自が個人カードを大切に保管する」という流れになります。

  • 個人カードはご実家で保管します

    個人カード原本を紛失してしまいますと大変ですので、個人カード自体はご実家などに保管しておくと良いでしょう。
    またニュージーランドでIRD番号を申請する場合は念の為に個人カード(もしくは通知カード)の表裏両面のコピーを取り、現地までお持ち下さい。

役所関係のまとめ

市区町村役場での手続き

以上を踏まえ、役所手続きは以下のようにする方が多いかと思います。

3ヶ月までの留学
海外転出届は出さず、特に何もしないケースがほとんどです。
4~11ヶ月までの留学
海外転出届を出せる市区町村であれば念の為に届出をして、国民年金と国民健康保険を止めておきます。国民年金については免除もしくは猶予を視野に入れます。
海外転出届を出せない場合でも、国民年金は免除もしくは猶予を考えます。
12ヶ月以上の留学、ワーキングホリデー
ほぼ全ての方が海外転出届を出し、年金と保険と住民税を止めています。同時にマイナンバーも失効させます。
また日本国内で不動産所得がある場合などは詳細を税務署に確認した上で、納税管理人を選任します。
年末年始のご出発をお考えの場合は、年内に出発される方がほとんどです。

ちなみに役所手続きに必要なものは、

  • 身分証明書
  • パスポート、ビザ
  • 印鑑
  • 年金手帳
  • 健康保険証
  • 住民基本台帳カード
  • マイナンバー個人番号カード

などになります。
また健康保険証と住民基本台帳カードは原則として市区町村に返納する事になりますので、念の為にコピーを取っておくと良いかと思います。

大抵の市区町村では海外転出届を渡航14日前から受け付けていますので、出発の3週前に電話でお問い合わせ ⇒ スムースな手続きを目指しましょう。

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