一般的には免許の「書き換え」と言われていますが、正確には日本での運転許可をニュージーランドで認めてもらい、無試験でNZの免許を発行して貰う方法です。
具体的には「ニュージーランドに現住所がある」、「日本で免許証を取得後2年以上経っている」という2点をクリアーしている場合、以下の必要書類を提出することで無試験でニュージーランドの運転免許証が発行されます。
日本の運転免許からニュージーランドの運転免許証に書き換える方法
詳細 / 最新情報はニュージーランド陸運局(NZ Transport Agency)の公式サイトで確認できます。
NZの運転免許に書き換えに必要な書類
まずは免許の書き換えに必要な書類をご確認ください。
- パスポート(原本提示、コピー提出。カラーコピーは写真とサインのページを)
- ビザ(原本提示、コピー提出。ただしワーホリなどのeビザであれば全文を印刷したA4紙の原本を提出)
- 日本の運転免許証(原本提示、コピー提出。申請時に12か月以上の有効期限があるもの、カラーコピーは表裏面)
- 日本の運転免許証の英文翻訳(原本提示、コピー提出)
- 現住所確認書類(原本提示、コピー提出。ただし銀行利用明細をダウンロードして印刷でもOK)
- 上記書類全てのカラーコピー(パスポートは顔写真のページ、書類は全ての文字が明確に読める解像度が必須です)
- 記入済みの申請用紙
- 申請料金(50ドル程度)
上記のリスト、「日本の運転免許証の英語翻訳」以外の書類は簡単に揃えられます。
・・・が、問題はカラーコピーです。
学校に通われている & 学校にカラーコピー機があるのなら、学校カウンセラーさんが印刷してくれるかもしれません。
それ以外の方は公立図書館の印刷サービスや市内の業者などで対応します。
ちなみにニュージーランドのカラーコピーは1枚で1.0~2.0ドル程度と高いので、日本で印刷できる書類は日本で印刷してくのをおすすめします。
必要書類はそれほど多くありません。ただし翻訳書類や現住所確認書類が必要なので、現地到着後すぐの書き換えはできません。
日本の運転免許証の英語翻訳
ニュージーランド陸運局は免許証の翻訳を「指定翻訳会社、もしくは日本国大使館などで」と指定しています。
そして大抵の翻訳会社の料金は50~60ドル程度ですので、基本としては30ドル前後で翻訳できる大使館や総領事館での翻訳を選ばれる方が多いです。
ちなみに以下に「日本大使館などでの翻訳」についてをまとめてあります。翻訳の詳細はこちらをご確認ください。
ニュージーランドの運転免許証書き換え申請書の記入例
以下のリンクから申請書類をダウンロード ⇒ 印刷 ⇒ 記入していきます。これも日本で印刷しておくと良いでしょう。
NZの運転免許証の書き換え申請書 / Application for conversion of an overseas driver licence
また以下を参考にしながら、申請用紙に必要事項を記入します。
- 【1】 運転免許証の所持歴について
過去にニュージーランドの免許証を持ったことがなければ、空欄でOKです。 - 【3】 通名について
パスポートと運転免許証の名前が違う場合は、こちらに通名を記入します。 - 【4】性別
男性はMale、女性はFemale、その他も選べます。 - 【5】 臓器ドナー登録欄
死亡した際の臓器提供の意思を訊かれています。 - 【9】 郵送先の住所
現住所と違う住所に書類の郵送を希望される場合は、こちらに郵送先住所を記入します。 - 【10】 現住所の記載
運転免許証に現住所を記載するかどうかを訊いています。 - 【13】 日本の運転免許証について
免許を交付した都道府県、免許証番号を記入します。2行目には交付日、有効期限を記入します。 - 【14】 ニュージーランドご到着日
直近のニュージーランド到着日を記入します。
- 【15】 日本の運転免許の種類について
普通免許であれば、Class 1 の Full になります。 - 【16】 健康状態について
安全な運転を阻害する可能性のある疾患や疾病について訊かれています。 - 【17】 視力について
メガネやコンタクトレンズをお使いの方は「Yes」、お使いでない方は「No」を選びます。ちなみに書類提出時に視力検査があります。 - 【Declaration】 宣誓、署名について
記入内容に間違いない旨を宣誓し、パスポートと同じ署名をします。パスポートのサインが漢字ならば漢字、英語ならば英語でご署名下さい。
ニュージーランド陸運局(NZ Transport Agency)への申請
全ての書類を揃えてニュージーランド陸運局(NZ Transport Agency)、NZ自動車協会の「AA」、NZ自動車安全協会「VTNZ」などで申請します。
NZの運転免許証の書き換え申請先のリスト
そこで顔写真を撮影し、視力検査を行い、特に問題がなければ10~15分程度で手続きは終わります。
ただし日本で免許を取得後2年経っていない場合は実技テストを受けなくてはなりません。
実技テストは助手席に担当官を乗せて公道にて行います。技術的には難しくないのですが、試験は英語で行われますので中々に難易度は高いです。
申請から発行までの時間
申請から発行まで、通常は2~3週間程度です。
ニュージーランドの運転免許証に関する注意点
ニュージーランドでの無免許運転の罰則
ニュージーランドで無免許運転をした場合、400ドルから1000ドルまでの罰金刑に科せられます。
またニュージーランド警察は無免許で運転していた車両を28日間、所有者の費用負担で押収する権利があります。
ですからレンタカーを無免許で運転した場合は1か月の延滞金が発生する可能性があり、罰金と合わせてかなり高額の負担になる可能性があります。
その他、無免許運転で起こした事故は基本的に保険の支払い対象にはならない点にもご注意ください。
年齢証明用のIDとして使えます
単純に運転だけをお考えであれば、国際運転免許証や自動車運転免許証抜粋証明を取得する方がベターです。手続きは容易ですし費用も半分以下で済みます。
それを踏まえつつ現地での年齢確認IDとしてもお考えの場合、運転免許証の書き換えが選択肢になります。
ニュージーランドの運転免許証があればお酒を買う、バーに入る、カジノに入る、レストランでビールを注文する、ワイナリーを回る、タバコを買うなどの際にパスポートを持ち歩く必要が無くなります。
ちなみに法律で年齢確認IDとして認められているのは「ニュージーランドの運転免許証」、「Kiwi Access Card(タスポのようなカードです。郵便局で申請、55ドル)」、「パスポート原本」の3つのみです。
つまり国際学生証や国際運転免許証はおろか、イギリスやオーストラリアの運転免許やニュージーランドの国立大学の学生証なども年齢確認IDとして認められていません。
滞在予定が12か月未満の場合、国際運転免許証がベターです
日本での手続きの方がずっとラクですので、ニュージーランドの滞在予定12か月未満の場合は出発前に国際運転免許を申請する方がベターです。
ワーキングホリデーならば「現地で翻訳」のみもおすすめです
国際運転免許証は有効期限が1年しかありませんので、ワーキングホリデーのMAX滞在期間 = 1年間の全てはカバーできません。
たとえば日本出発の1か月前に国際運転免許証を取得した場合、ニュージーランドを出国する1か月前には現地での運転できなくなってしまいます。
ですからワーキングホリデーで12か月まるまる滞在するご予定であれば、現地の日本国大使館や総領事館が発行する「自動車運転免許証抜粋証明」の取得がベターです。
こちらであれば「ニュージーランド国内でのみ有効」ではありますが、「ニュージーランド到着日から1年有効」というメリットを得られます。
ちなみに発行手数料は30ドル前後、交付まで3営業日程度掛かります。
ワーキングホリデーの滞在であれば原則、こちらがベターです。NZ到着後すぐに申請 ⇒ 入国日から1年間の運転が可能です。
ニュージーランドの運転免許書き換えのまとめ
国際運転免許証は便利ですが、「発行から12か月」という有効期限がネックです。ですからワーホリで12か月の滞在をお考えの場合は現地で自動車運転免許証抜粋証明を取得する方がベターです。
それを踏まえつつ「現地で年齢確認用IDが欲しい」、「滞在が12か月を超える」といった場合はニュージーランドの運転免許証の取得が選択肢になります。
とりあえずニュージーランドの免許証は良い記念になりますし、ビールやたばこの購入、バーやカジノへの入店もラクになりますので、持っておいても良いかと思います。
特にNZ到着後に留学をされるのであれば第一週目に銀行口座開設 ⇒ 書類を揃えてNZの運転免許も申請 ⇒ のんびりと発行を待つのも良いかもしれません。